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出版時期から見ると、わたしの処女作となる単行本です。単純な記述と写真で、比較的わかりやすい本に仕上がっています。
この本の撮影のことを、わたしは一生覚えているに違いありません。なぜなら、それは月山で行われたのですが、常識破りの撮影だったからです。
当初、カメラマンの常田氏とわたしは月曜から金曜までの平日5日間をかけ、撮影を行う予定を組んでいました。しかし、月山に到着してからずっと霧と雨が続き、まったく撮影にならなかったのです。
土曜日もダメ。そして日曜がダメなら、もう撮影はできず、本も出版できないという状況になりました。もちろん一冊の技術書を仕上げる撮影が、一日でできるはずはありません。
もう帰ろうという常田カメラマンを、わたしは必死に説得しました。
「とりあえずトライしてみよう!」
そんなところにたどり着きました。
日曜日は快晴。
わたしたちは日の出と共にゲレンデに上り、昼も食べず、写真を撮り続けました。もちろん、リフトに乗っていては間に合わないため、すべて歩いて上りました。
昼時、常田さんにこう言った記憶があります。
「ごめん、チョコレートで我慢して、オレは登るから」
口の中にほとんど唾液が感じられなくなるまで、登り続けました。
そして、撮影は日没ぎりぎりまで続き、ついに一冊の本に使う写真をすべて撮り終わったのです。
この本を見返すたび、月山の斜面を何度も登り、深呼吸を繰り返し、集中して滑った、あの時の記憶が蘇ります。 |
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