LoveActually
LoveActually
 ホームページで映画について書くのは珍しい。
 それほど映画を観る方でもないし、映画が大好きというわけでもない。映画よりは音楽を聴いたり、本を読むことをよしとする価値観が、わたしのどこかにある。
 しかし、これまでも、ずいぶん心打たれる映画に出会ってきた。
 小学生の時に見た「サウンド・オブ・ミュージック」。プロスキーヤーになったばかりに見た「ホワイト・ナイツ」。近頃の作品では「マトリックス」にも感銘を受けた(ただし、最初のマトリックスのみ。続編には幻滅した)。
 スキーで暮らしはじめた頃、東京の国立に住んでいたが、そこに映画館があった。夜の六時半すぎになると、特別割引があり、よく行ったものだ。三流映画だとは思うが、「Mike Hammer, I the Jury」という作品を繰り返し見た記憶がある。たいしたストーリーでもなく、できばえも悪い作品だったが、なぜか好きだった。Bill Conti 作曲の音楽がよかったせいかもしれない。

 またある時、映画が時代を作っていると実感したこともある。たとえば「ロッキー4」や「ファイヤーフォックス」である。
 1980年代後半、まだ崩壊前のソビエト連邦を訪れたとき、ソビエトの青年たちの間で、聖書のように見られていた映画。それが「ロッキー4」と「ファイヤーフォックス」だった。どちらの映画にも、ソビエトはひどい悪役として描かれている。そんな映画を、自国の青年たちが争うように見ていた。つまりこの時すでに、ソビエトは精神的に内部崩壊していたのである。
 そんな現実を知ったとき、わたしはハリウッド映画と政治の関係を疑った。だから、「ラスト・サムライ」についても、素直に喜べない自分がいる。 「華氏911」のほんとうの意味を疑う自分がいる。

 しかし、今回の映画はそうした映画ではない。

 できたことを素直に喜んでいる自分がいるし、またこうした素晴らしい作品を作り上げた監督やディレクターを嫉妬する自分もいる。
「いつか、これを超えるラブストーリーを書いてみたい」と願う自分もいる。
 タイトルは
Love Actually
 
映画を見て頂けるとよくわかるが、その意味は
        Love actually is all around である。
 内容は各自の感想にゆだねるが、ぜひみなさんに見て頂きたい一本だ。最後に音楽もたいへん素晴らしいことを付け加えておこう。

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