スキーで生活して30年。
毎年、春になると黄砂がやってきます。
黄砂は中国の砂が飛ばされ、日本に降り注ぐ現象です。それがここ数年、確実にひどくなっているように思えてなりません。今日も重い湿雪に、大量の黄色い砂が混じって降りました。よく見ると、5ミリくらいの黄色い層があたり一帯を被っています。
こんなに大量の黄砂が来るのはここ5年くらいではないでしょうか?
わたしがスキーをはじめた1970年代や、いちばん滑っていた80年代、黄砂がこれほどひどいことは珍しく、あまり気にならなかったように覚えています。ところがここ数年、ほんとうにひどい量の砂が降ってきます。しかも、回数も増えているように感じられてなりません。
黄砂は、中国の産業化や砂漠化と、深い関係があるのでしょう。
現在、世界中でもっとも深刻に砂漠化が進んでいる中国。
樹木が伐採され、そのむき出しにされた土地が風に煽られ、大量の黄色い砂が舞い上がります。それがジェット気流に乗り、日本海を越え、日本のスキー場に降り注ぎます。もちろんスキー場以外にも降ってきますが、スキー場という白いキャンバスは、砂を明確に見せてくれます。
「誰がなんと言おうが、黙って中国に木を植え続けることが大事」
そう言ったのは『バカの壁』で有名な養老先生だったでしょうか。
年々ひどくなっていく黄砂を見ている限り、中国から大量の森林が消え、砂がむき出しにされていることを実感せざるを得ません。
わたしは地球温暖化には懐疑的な立場です。
二酸化炭素が増加しているのは確かでしょうし、できるだけ抑える必要もあるでしょう。しかし温暖化して雪不足になっているのかと問われたら、「そうだ」とは云えません。
1980年代は確実に1990年代より雪不足でした。2000年代も80年代よりは良い状態だったように思います。
どちらにしても、スキー産業は環境問題と密接な関係を持っています。それこそスキー場を建設する過程から、スキー場をメンテナンスする過程まで、否応なく環境問題を考えさせられます。
大好きなスキーをいつまでも続けるため、わたしたちは環境問題を真剣に考えなくてはいけません。
環境破壊のスピードに追いつくか追いつかないか。それは正直わかりません。
わたしたちがレジ袋をエコバッグに代えることで、問題の解決にならないことは事実でしょう。もっと大きな手当や手段が必要です。それにはまず京都議定書から脱退し、二酸化炭素金融の世界から撤退することが必要です。
京都議定書は二酸化炭素を金融に使おうという新しいサブプライムローンなのです。
日本で京都議定書の真実が語られないのは、政治家と役人の怠慢でしかありません。
日本が世界最高の環境保全国であり、世界最高のエコ国であることを誇りに、わたしたちこそ強く世界に提言すべきです。 |