ラフマニノフの音楽
Sergei Rachmaninov
 高校時代、わたしの友人たちの間で、ラフマニノフは不評でした。
 あまりにも甘美な旋律とロマンティックな曲想に、背伸びしたい高校生たちが反発しました。
 そんな友人たちがいちばんに推したのはブラームスでしょうか。
Night
 しかし、知的な友人たちの推すブラームスが、当時のわたしには理解できませんでした。わたしがブラームスを愛するようになるにはまだまだ長い時間が必要となります。
 ブラームス嫌いということもあり、みんなに反発したわたしは「ラフマニノフを守る会」を発足し、会長を自任したのです。確か、高校二年の時でした。
 ラフマニノフには素晴らしい交響曲もありますが、やはり有名でもあり、素晴らしい特徴を見せつける曲はピアノ協奏曲でしょう。特にトリノ・オリンピックのフィギアスケートで、ピアノ協奏曲第2番が何度も流れたため、久しぶりに聴いた方も多いと思います。
 わたしもその一人でした。

 昔からさまざまな演奏を聴いてきましたが、久しぶりに持っているCDを聴きくらべてみると、わたしの心にいちばん素直に入ってきた演奏はリヒテルのものでした。
 それは1959年という古い録音の演奏ですが、素晴らしい演奏です。
 新しいところでは中国のランランのものに心を打たれました。
 ランランは有名な冒頭部分を「これでもか」というくらいゆっくり、情感を込めて弾きます。
 有名なワイルドですが、わたしにはちょっと技巧に偏りすぎているように感じられ、引き込まれることはなかったです。

 パガニーニの主題によるラプソディも好きな曲です。この曲で、何度もバレエスキーを滑ろうと試みたことがあります。
 ピアノ協奏曲の3番にはホロヴィッツによる名盤もあります。
 最近よく聴く「エロカッコイイ」という言葉は、ラフマニノフにこそふさわしいとも感じられます。
 ロマンティックという言葉が、これほどふさわしい曲想ばかりを作曲した人もめずらしいでしょう。現代の音楽にも、十分つながる何かを、ラフマニノフは感じさせてくれます。
 ピアノ協奏曲第2番には名演奏がたくさんあるに違いありません。
 もしこのホームページを読んで頂いた方のなかで、好きな演奏がおありの方は、ぜひお教え頂けると嬉しいです。異なった感性の演奏を、もっともっと聴いてみたいと感ずる大好きな曲ですから。
Richter
ピアノ協奏曲第2番推薦CD

■リヒテル(ピアノ)ヴィスロッキー(指揮)1959年録音

■ランラン(ピアノ)ゲルギエフ(指揮)2004年録音

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