昨年に続き、ラスベガススキーショーに行って来ました。
その行きと帰り、飛行機の中でかなり泣きました。
理由は単純。読んでいた本に感動したからです。
それはニコラス・スパークスという人気アメリカ作家の本で、行きに読んだのは「Walk
to Remember」、帰りは「Note Book」というタイトルです。どちらも日本語訳が出ているはず。たしか「Walk
to Remember」は「奇跡を信じて」という邦題だったと思います。
両方とも切ないラブロマンスです。ここに筋だけを書いたなら「なんで?」というほど単純なもの。しかし、なぜ感動したかを考えるとき、そこに「今の時代が失いつつある価値観を復活させよう」という真摯な姿勢があるからではないだろうか、と思いました。
スパークスが大事にするのは「自然と共生する素朴な生き方」であり、「日常生活に深みと喜びを求める姿勢」です。どちらの本も驚くほどの純愛を描いており、そこには「永遠の伴侶」とか「永遠の恋」という概念に裏付けられた人間の生き方が描かれています。
現代のアメリカにはこうした風潮が顕著に見られます。一つの例として、K2から来期発売される
「One Love」 とか 「True Love」 というスキーがあげられるでしょう。スキーのネーミングという分野にすら、その影響が見られるのです。
アメリカにおける高いブッシュ人気も、根底にそれがあります。日本ではあまり知られていませんが、ブッシュには「純愛政策」とも言えるものがあり、その施策に強いキリスト教的倫理観が反映されています。それをキリスト教右派の人々が強く支持しています。よく冗談で「ブッシュに政治は任せられないが、自分の娘を任せることならできる」と言われるほどです。
高度な文明社会にある強い競争原理より、自然に回帰した深みとゆとりのある生活を求める人々。こうした傾向が「日本文化」や「武士道」への傾倒を生んでいるとも言えるでしょう。
フリースタイルスキーやフリーライドにもこうした風潮が見られます。
それらのスポーツがアウトローに陥ることなく、武士道に見られるような大輪の花に昇華されること。
そんな活動が少しでもできれば…、そうわたしは願っています。
|